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特定技能1号・2号とは?その違いや1号から2号への移行方法、試験について徹底解説! - KMT

「特定技能って何?」「1号や2号があるけれど、違いは?」そう疑問に思っている方はいませんか?特定技能という言葉は知っていても、内容がよくわからない方もいるでしょう。

今記事では、外国人の在留資格のひとつである特定技能1号と2号の違いについてわかりやすく解説。移行方法や試験についてもご紹介するので、特定技能のことを知りたい方はぜひ参考にしてみてください。読めば、わかりにくい特定技能について学ぶことができますよ。

そもそも「特定技能」とは?目的や概要を解説!

そもそも「特定技能」とは?目的や概要を解説!

特定技能は、外国人にとっては日本にいられる大切な資格のひとつです。しかし、そもそも特定技能とは何なのでしょうか?まずは特定技能とはどんな資格なのか、目的や概要について押さえておきましょう。特定技能が得られるパターンは、以下の3とおりです。

  1. 【1号】技能&日本語の試験合格
  2. 【1号】技能実習からの移行
  3. 【2号】1号5年間の就業終了

それぞれのパターンについて、どんな目的で作られたのかも含めて詳しく解説します。

【パターン1】技能&日本語の試験合格者!

特定技能とは、日本人ではまかなえなくなった労働力を補充するために生まれた在留資格です。一定の条件をクリアした外国人を雇用することで、日本で働ける人材が増えることになります。

特定技能は、ある程度の日本語日常会話ができれば実務経験なしで最長5年間の在留資格が与えられる制度。1号と2号があり、まずは1号から取得する必要があります。特定技能が取得できる分野は、以下の14分野です。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 素形材産業
  4. 産業機械製造業
  5. 電気・電子情報関連産業
  6. 建設
  7. 造船・舶用工業
  8. 自動車整備
  9. 航空
  10. 宿泊
  11. 農業
  12. 漁業
  13. 飲食料品製造業
  14. 外食業

1号の特定技能には、技能と日本語の試験に合格した方が認定されます。いずれも外国人が日本で即戦力として働くことができるのかを証明する試験です。

【パターン2】試験免除!?技能実習からの移行

経営者側からすると、人手不足解消にもつながる特定技能。1号認定を受けるためには、試験を必ず受けなければならないわけではありません。「技能実習」からの移行者は、特定技能を得るための技能・日本語の試験は免除されます

技能実習は、介護職以外は技能・日本語の試験なしで取得できる在留資格です。そのため、日本語のテストに自信がない方は、技能実習からの移行がスムーズでしょう。ただ、技能実習では基本的に転職は認められていないので、技能実習からの移行は同じ職種で長く日本で働きたい方に向いている方法です。

技能実習から移行したい場合は、技能実習を良好な状態で終了する必要があります。真面目に働いてきた外国人の方には取得しやすいでしょう。

特定技能2号になるには?1号5年間の就業を終えてから

1号認定で5年間の就業を終えると、建設、造船・舶用工業に限り特定技能2号が認められる可能性があります。1号認定では5年間の就労が認められていますが、2号に認定されると在留期間の制限はありません。

定期的に更新は必要ですが、長く日本に在留したい外国人にとってはうれしい制度といえるでしょう。良い人材を長く確保できるので、人手不足を補いたい事業主にとってもうれしい制度ですね。

特定技能の2号を取得するためには、日本語の試験は必要ありませんが技能試験が必要です。

特定技能自体が2019年の4月から開始された比較的新しい制度で、2021年より特定技能の技能試験は開始されたばかりです。そのため、試験の内容や難易度などは、今後の様子を見ながら確認する必要があるでしょう。

【最新版】特定技能1号と2号の5つの違いとは?

【最新版】特定技能1号と2号の5つの違いとは?

特定技能には1号と2号がありますが、大きく分けて5つの違いがあります。それぞれの違いは以下の5つです。

  1. 在留期間の上限
  2. 家族帯同の可否
  3. 求められる技能水準
  4. 支援計画策定の有無
  5. 技能試験の実施状況

1号と2号では内容が違うので、早く2号を取りたいと考える外国人も多いようです。これからますます加速していくであろう外国人雇用の鍵を握る制度なので、覚えておいて損はないでしょう。それぞれの違いについて、詳しく解説します。

在留期間の上限

特定技能1号2特定技能2号の最も大きな違いは、在留期間の上限です。認められている在留期間は、以下のとおりです。

1号 2号
在留期間 最大5年 制限なし

1号認定では最大5年のところ、2号では制限なく日本に滞在できます。また、更新の頻度も1号では1年・6ヵ月・または4ヵ月ごとの更新ですが、2号では3年・1年・または6ヵ月ごとと少なくなります。

また、1号は永住権を取るための条件としてカウントされませんが、2号はカウント可能。2号認定で5年間在留することが、永住権を取得する条件として認められます。

特定技能2号は、永住権を獲得するための重要な経歴にもなる人気の在留資格のひとつです。まだ始まったばかりの制度ですが、制限なしで日本にいられるのが特徴。取りにくい日本の永住権を取得する手立てともなるでしょう。

家族帯同の可否

家族帯同の可否

もうひとつの大きな違いは、家族が一緒に日本にいられるかどうかです。特定技能1号に認定されても、家族が一緒に暮らすことはできません。そのため、特定技能1号で日本で就労する外国人は、単身赴任で働くしかありません。

しかし、特定技能2号では家族を連れて在留することができるので、家族が一緒に暮らすことができます。帯同が認められるのは、配偶者と子供のみ。おじいちゃんやおばあちゃんなどを連れてくることは認められていません。

それでも、日本で働く外国人にとって家族は大きな支えとなるでしょう。そのまま永住権を取得したい場合など、日本での生活が長くなる場合には家族を連れてくることができるのが大きな魅力です。

求められる技能水準

特定技能2号では、特定技能1号よりも高い技能が必要です。各分野によって技能の内容は違いますが、単純に作業するだけでなく工程指導・管理ができることが条件になります。

例えば建設業では、工程によって異なりますがおおむね以下のような試験をクリアする必要があります。

  • 技能検定1級
  • 建設分野特定技能2号 評価試験

2号認定時には、各分野での技術試験を受ける必要があります。工程の管理までできるのが主な条件ですが、5年間を工夫しながら真面目に働いてきた労働者にとってはそれほど難しいことではないでしょう。

逆に特定技能1号の5年間、言われたことのみをして時間を過ごしてきた労働者にとっては少し難易度が高いかもしれません。

支援計画策定の有無

外国人を受け入れる期間にとっても、1号と2号とでは違いがあります。特定技能1号では支援計画を策定する必要がありますが、2号になると策定する必要がありません。

支援計画には特定技能取得者の送迎方法や支援の計画を細かく記載する必要があります。住居や口座開設の支援など、細かに記載することが義務づけられています。

さらに外国人の分かる言語で記載しなければならないので、受け入れ会社での作成が困難なことがほとんど。別の登録機関に頼んで支援計画を作ってもらうのが一般的です。

支援計画を作るのは手間がかかるものなので、2号に認定されて作る必要がなくなるのは受け入れ側にとっての大きなメリットといえるでしょう。また、外国人就労者としてもいちいち会社に頼んで支援計画を作ってもらう必要がないのはうれしいポイントです。

技能試験の実施状況

技能試験の実施状況

特定技能の在留資格を取るためには、特定技能評価技能試験をパスする必要があります。しかし、特定技能2号の制度は始まって間もないため、どの程度実施されているのかがまだ明らかになっていません。

特定技能1号もコロナの影響で実施が中止されていましたが、2021年3月からまた徐々に技能試験が再開されています。各国で1ヶ月に1回コンスタントに行われているので、特定技能を取得したい方にはチャンスがありますね。

受験者数は分野によって大きく異なりますが、海外で合格して日本への渡航を待っている外国人もいます。日本にいる外国人のために日本国内での技能試験も行われているので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ|特定技能1号の期間に2号の準備を!

まとめ|特定技能1号の期間に2号の準備を!

特定技能は、永住権の取得にもつながる大切な在留資格のひとつ。しかし、特定技能1号だと在留可能期間が最大5年という制約があります。そのため、特定技能1号の期間中に2号の準備をするのがおすすめです。

特定技能1号の間に技能試験をパスするだけの技能を取得しておくことで、2号が取得しやすくなります。長く日本で働きたい方も長く有能な外国人と働きたい方も、ぜひ2号の準備をしながら特定技能1号の期間を過ごしてみてください。

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。