特定技能として外国人を登録するときに必要になる登録支援機関。受け入れ会社を支援する企業ですが、「どうやってなるの?」「申請できる?」と漠然とした不安を持っている会社もあるでしょう。
そこで今回は、特定技能における登録支援機関について解説。サポート内容や必要な費用についてもわかりやすく解説します。読むと、特定技能の外国人受け入れに必要な登録支援機関について、どのような手続きやサポートが必要なのかがわかりますよ。
目次
特定技能における「登録支援機関」とは?
特定技能の登録支援機関とは、受け入れ企業の特定技能の外国人を支援する機関のことです。まずは、登録支援機関になるために知っておきたいポイントを押さえておきましょう。今回解説するのは、以下の2点です。
- 登録支援機関に必要な要件
- 申請方法とかかる費用
特定技能の登録には支援計画が必要。しかし支援計画は外国人がわかる言葉で記載する必要があり、特定機能を受け入れる会社(特定技能所属機関)が計画を作るのは困難なことも。そんなときに活躍するのが、登録支援機関です。
これを知っておくことで、登録支援機関になるためにどのような準備が必要なのかがわかりますよ。
登録支援機関になるには?必要な要件を解説!
登録支援機関は、受け入れ側の会社に代わって支援計画を作成及び実施します。個人でも法人でも登録支援機関になることはできますが、以下の要件があります。
- 2年以内に中長期在留者の受け入れ実績がある
- 2年以内に報酬を得る目的で、業として、外国人に関する各種相談業務をした経験がある
- 支援担当者が、過去5年間に2年以上中長期在留者の生活相談業務に従事した経験がある
- 同等の経験によりこれらの業務が執行できることを認められる
- 外国人に支援の費用を払わせない
- 1年以内に責めに帰すべき理由により外国人や技能実習生の行方不明者を出していない
- 刑罰法令法違反による罰則を受けていない
- 5年以内に出入国又は労働に関する法律に関し著しく不正な行為を行っていない
以上のような要件を満たしていれば、登録支援機関になれます。
登録申請方法とは?かかる費用はどのくらい?
登録支援機関の申請には、4種の提出物を準備する必要があります。
- 登録支援機関登録(更新)申請書
- 立証資料
- 手数料納付書
- 返信用封筒(角形2号封筒に宛先を明記の上,440円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの)
準備ができたら、地方出入国在留管理局又は同支局に提出します。ただ、空港支局や出張所では受け付けていないので注意しましょう。平日の午前9時から12時、午後1時から4時までの間に提出しましょう。
申請費用は手数料の11,100円、新規登録の場合は28,400円がかかります。申請時に納付し、収入印紙をもらいましょう。もらった収入印紙は、他の資料と一緒に提出します。
登録が認められると、5年間有効になります。
登録支援機関としてかかる費用は、初回は28,400+440円で28,940円、5年ごとに11,100+440円の11,540円ということです。
登録支援機関のサポート内容って?
次に、登録支援機関に必要なサポートの内容について把握しておきましょう。
- 母国語による翻訳・通訳
- 四半期に1度以上の届け出・面談
- 公的手続きの同行・相談その他
登録支援機関になると、母国語による対応業務の他、各種手続きや苦情の対応など、思わぬサポートが必要になることがあります。あらかじめ知っておくことで、多くのシチュエーションに対応しやすくなるでしょう。
それぞれのサポート内容について、詳しく解説します。
母国語による翻訳・通訳業務
登録支援機関は、支援を受ける外国人の理解できる言葉で生活のサポートをする必要があります。
英語や中国語などが分かる方には必ずしも母国語である必要はありませんが、ある程度理解できる言語でのサポートが必要。翻訳・通訳業務も行わなければならないため、外国語に精通した人材がいるとサポートがしやすいでしょう。
母国語での支援内容は、以下のようなものがあります。
- 在留期間中の日本での活動内容の説明
- 生活に関するオリエンテーション
- 送迎時のサポート
外国人が日本語で生活するためには、はじめはどうしても言葉の分かる方が必要です。その人材を確保するのも、登録支援機関の役割のひとつ。多くの言語が分かる方がいるとサポートが楽になります。
四半期に1回以上の届出および面談
登録支援機関は、3ヶ月に1度は必ず外国人がその上司と面談することが義務づけられています。面談でチェックするのは、労働基準法に違反がないか、何か困っていることはないかなどです。
また四半期に1度、登録者の身分証明書と一緒に届出を出入国在留管理活所に提出する必要があります。届出の内容は、特定技能外国人の相談内容とその対応や不正行為・行方不明者の発生の有無などです。
具体的な届出方法は以下のとおりです。
- インターネット:出入国在留管理庁電子届出システムから送付
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/i-ens_index.html
- 窓口持参:特定技能所属機関の本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署(空港支局は不可)
- 郵送:身分を証明する文書を同封のうえ、特定技能所属機関の本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署宛てに送付。封筒の表面に朱書きで「登録支援機関届出書在中」等と記載
インターネットからの提出は事前の登録が必要ですが、一度登録してしまえば楽に手続きができます。
その他、公的手続きの同行や相談・苦情の対応など
特定技能の外国人には、ただ日本で働けるようにするだけでなく日本で安定して暮らせるように幅広いサポートが必要。必ずすべき支援は、以下のようなものです。
- 空港への送迎
- 住居の確保
- 銀行口座開設サポート
- 公的手続きの同行
- 日本語学習機会の提供
- 日本人との交流提供
- 転職支援
- 入国手続きや保証内容などの説明
- 生活相談や苦情の対応
職場や生活上の相談や苦情を受けることもあり、母国語が流ちょうに話せないと大変なことも。登録支援機関は、単に事務的な支援をすれば良いというわけではありません。
万一外国人の不安や不満がつのれば、逃げたくなってしまうのも当たり前。連絡がつかなくなり、行方不明者を出してしまうことにもなりかねません。特定技能の外国人の生活全般を受け入れる覚悟を持ち、幅広いサポートをしてあげると良いでしょう。
支援費用はどのくらい?1人当たり2~3万が相場!
登録支援機関として特定技能の外国人を支援するためには、どのくらいの費用が必要なのでしょうか?支援費用の目安は、1人当たり2~3万円と言われています。
技能実習に比べると費用はどうなのでしょうか?そしてそもそも登録支援機関を使わずに企業が特定技能の外国人を採用することは可能なのでしょうか?いろいろと考え始めると疑問も増えてきますね。そこでここでは、それぞれの疑問について詳しく解説します。
技能実習に比べると監理費が安い?
特定技能の外国人は、技能実習の外国人に比べて監理費が安く済みます。特定技能の場合の支援費用は、1人当たり約2~3万円。しかし、技能実習では1人当たり平均4万円で、中には8万円払っている監理団体もあります。
特定技能の外国人への賃金は、日本で同等の業務を行う方と同じくらい払わなければならないため、外国人への賃金は高く支払う必要があります。それでも、支援のための監理費が安くなるのは登録支援機関を使う大きなメリットといえるでしょう。
このように、支援に関わる監理費はそれほど高くはありません。そのため、1人当たり2~3万円で支援できるのならば登録支援機関に頼んでしまった方が良いと、考える企業も多いです。
登録支援機関を使わずに採用することも可能!
登録支援機関は、必ず使わなければならないわけではありません。登録支援機関を使わずに外国人を採用することも可能です。
しかし、企業単独型は、母国語で外国人を支援できる人材が必要。ときには生活の支援まで幅広く行わなくてはならなく、文化の違いも関わってくるため、支援をする方にとっては大きな負担となることでしょう。他の業務ができないほどに大変なので、専属の担当者を雇う必要があります。
また、支援をするにはある程度支援経験を積んだ人材が必要なので、支援者を雇用するためにさらに人件費がかかってしまうこともあります。企業単独で支援を行うのは精神面でも費用面でもハードルが高く、なかなか事がスムーズに運ばないこともあるのが実状です。
まとめ|まずはKMTにご相談ください。
特定技能の外国人をスムーズにサポートするためには、登録支援機関を使うのが便利です。中期在留者を今まで受け入れたことがない企業が、特定技能として外国人を受け入れるのは至難の業。登録支援機関に頼んでしまうのがおすすめです。
登録支援機関に迷ったら、まずはKMTに相談してみましょう。KMTは、2019年に登録支援機関として登録。カンボジア、インドネシア、ベトナム、タイ、中国、英語の6つの言語に対応しています。通訳や翻訳に困ったときにも5ヶ国語で対応できるので、ぜひご相談ください。